譲れないものはありますか?

マインド, 人材育成

お店を経営していると、出会いがあれば別れも経験します。
「人との関わりにおいて、どこで線引きをしていますか?」
そんなご質問をいただいたので
今日はそのことについてお話ししたいと思います。
人の意見や気持ちを優先して自分のことを
つい後回しにしてしまう心根の優しいリーダーの方必見です!

私は、ここに至るまでに沢山のスタッフと出逢いました。
良い形で卒業してくれた人たちが沢山います。
彼らとはありがたいことに、今も色んな形で繋がってくれています。

逆に自分のお店を同じ想いで大切にしてくれる人を育てることの
本当の意味がわかるようになるまでは

何度も躓き難しさを感じ、実際に沢山の苦い体験もしてきました。

もともと私は長女気質で自己肯定感が低かったので人との関わりにおいて
不信感を抱いたり理不尽さを感じても
きちんと伝えずに我慢して飲み込むクセがありました。

だからお店の経営や人材育成においても、同じやり方をしていたのだと思います。

甘え下手でお願いする事が極端に苦手で、嫌われる事がとても怖かったから
言いたいことは我慢して自分が頑張ればいい。
伝わらないのは自分のやり方が悪いからなんだ。
そんな風に長い間、自分に言い聞かせてやってきました。

そして、このやり方だと絶対にうまくいかないんです。
なぜだかわかりますか?

それは、自分の軸が定まっていないからです。
他人の意見や顔色を伺って方針や方向性を決めるやり方は
言い換えれば、自分自身を信頼していない状態とも言えます。

「優しさ」を履き違えて、相手の様子ばかりを気にしていると
その言動に一喜一憂してしまい
本当に自分が大切にしたいことを見失います。

相手に寄り添うことと、振り回されることは違うので
ここを間違えるとエネルギーはどんどん消耗し自分自身は疲弊してしまいます。

そしてこの「あり方」だと、自分の周りには
構って欲しい、癒してほしい
そんな人たちばかりが集まってくるようになります。

こうなってくると、時間やエネルギーをかける方向が違ってくるので
本来自分がやりたいことや、なりたい姿からはどんどん遠ざかっていきます。
まさに悪循環のループです。

私は長い間、色々な問題が上がってくるたびに、その都度全力で向き合ってきましたが、

このやり方でうまくいくはずもなく、ほとほと疲れ果てた時に、
「何かが違うからうまくいかないんじゃないか?」

そう思うようになりました。

そして、散々自分と向き合い自問自答していくうちにあることに気づきます。

「自分の感情に蓋をしていたこと」
残念に思うことや悲しみや憤り、このような負の感情をなかったことにして我慢し続けていたなあと。。。

そこに重たい漬物石まで乗せたような状態で
随分長いことほったらかしにしていることにようやく気づきました。
もはや発酵しているレベルだったんじゃなかったかと思います笑

経営者だから、

できて当たり前

やって当然

楽しちゃいけない

甘えちゃいけない

頼ってはいけない

しんどいことは自らやらなきゃいけない

辛くても弱音を吐いてはいけない

こうしてあげてみると
沢山の
〜ねば
〜べき
を自分自身に課していることに愕然としました。

そしてこのことに気づいた時から、
自分の気持ちから目を逸らさずに受け止めて癒し、どう感じてどうしたいか?を
ひとつひとつ丁寧に向き合うようになりました。

こんなふうに自分自身が自分の1番の味方をするようになり、ここをクリアにできるようになってからは

自分自身のことを信じる事が出来るようになって、同時に目の前にいる人のことも無条件で信頼できるようになりました。

すると関わりの中で相手がどう感じて、どう受け取り、どんな選択をしたとしても
そのことを不信に思ったり不安を感じたりすることがなくなります。

本当の意味で自分の気持ちを大切にする事が出来るようになると、相手の気持ちも心から尊重できるようになりました。

それができるようになったら次は、

自分がどこまでやるのか?

どこからはやらないのか?

大切にしたいもの

手放した方がいい事
そんなものが明確にわかるようになりました。

話を戻しますね

では、私の線引きはどこなのか?

「辞めたい」

という言葉がスタッフ自らの口から出た時です。

もちろん、やりたい事が見つかったからとかおめでたい理由なら祝福して送り出せますが、
そうじゃない場合でも引き止める言葉は一切かけません。

理由はもちろん聞きますよ。

だけど、少し冷たく感じるかもしれませんが引き止めたとしても、その先に良い関係を築けることは難しくなるからです。

ほとんどの場合
「お店(私)のために残ってやった」
「自分がいなきゃこの店は困るだろ」
そんなエネルギーを出すようになります。

これは実体験で立証済みです笑

そして、ここまできっぱりと線引きできるのにはちゃんとした理由があります。
なぜなら、私自身が彼らとの日々の関わりを大切にしている自信があるからです。

その時々、目の前の人を大切にしていれば、終わりがどうであれ納得する事ができるし、後悔が残ることもありません。

これまで共にした時間や出来事に感謝をもってお別れし、彼らのこれから先の人生に心から幸運を祈るだけです。

相手を大切にする気持ちと同じだけ自分の気持ちも大切にすること。

起きた出来事に、必要以上に感情やエネルギーを奪われないこと。

心と体を健やかに保つこと

これらも経営者の立派なお仕事だと私は思います。

自分の中の譲らないものを決めておいて
「これ以上はやりません」と、そっと線を引く。

これができるようになれば、ひどく落ち込むことも
仮に落ち込んだとしても、戻ってくるまでの時間がかからなくなりますよ。
正解や不正解、常識や非常識
そんな物差しを気にせず、自分の心が決めていいんです。

あなたの譲れないものはなんですか?

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